圏論を勉強するための本(Advance)

 前回に続いて圏論の文献についてまとめようと思います。今回は前回とは違い少し踏み込んだ圏論の文献を紹介します。

 

 加法圏論、アーベル圏論

1層とホモロジー代数(志甫 淳)

 よく層ホモと呼ばれている本ですね。この本は加群論から始まりホモロジー代数を勉強できる本です。私は2回生の時に後輩とこの本でゼミをしました。その時は確かFive Lemmaあたりまでで終わってしまった気がします。それから1人で加法圏とアーベル圏のところを読み進めました。ミッチェルの埋め込み定理まで示し終えて一区切りしました。この本を参考にしたブログもあるので興味があったら参考にしてください。

ibu8128.hatenablog.com

 

2 圏論の技法(中岡 宏行)

 この本は初歩的な圏論から始まり加法圏、アーベル圏、三角圏、導来圏などとホモロジー代数を学べる本です。付録程度に豊穣圏のことも書いてあります。私は(プレ)加法圏の議論をこの本で勉強しました。環は1点プレ加法圏とみなせるので環論とほとんど同様なことが(プレ)加法圏で議論できることを学びました。また、圏の局所化や三角圏の勉強の際にも参考にしています。

 

Categories and Sheaves (Kasiwara・Schapira)

 Basicにもあげましたが、この本は圏の局所化、加法圏、アーベル圏のことを勉強できます。(この本はもっと先の議論があるのですが私はそこまで読み進められていません…)

インド化、三角圏、導来圏、層、グロタンディーク位相など様々なことが書かれています。

 

 三角圏論

Triangulated Categories(Amnon Neeman)

 私はこの本と圏論の技法を並べながら三角圏の勉強をしています。卒業研究にも関わってきそうなので頑張って読み進めていきたいです。

 

 豊穣圏論

1 Basic Concepts of Enriched Category Theory(G.M. Kelly)

www.tac.mta.ca

 私はこのpdfと壱大整域を並べながら豊穣圏の勉強をしました。環や前順序集合や距離空間を豊穣圏とみなせるのはとても面白いと感じました。

 

 2圏論

1 2-Dimensional Categories(Niles Johnson Donald Yau)

https://arxiv.org/pdf/2002.06055.pdf

これが良いらしいけど読んだことはないです。私は壱大整域で2圏の勉強をしました。

 

 モデル圏論

1 Model categories(Mark Hovey)

 私はこの本と壱大整域でモデル圏の勉強をしています。この本は誤植表と一緒に読まないと初めの方に誤植があるので混乱してしまいます。専門が多分深くモデル圏に関わるので頑張って読み進めていきたいです。

 

 ∞圏論

1 Higher Topos Theory(Jacob Lurie)

www.math.ias.edu

 よくHTTと呼ばれている本ですね。だいぶ分厚い本ですが頑張って読んでいきたいです。

 

2 Higher Categories and Homotopical Algebra(DENIS-CHARLES CISINSKI)

 読んだことはないですが代トポと∞圏について書かれているものもあるようです。評判は良いみたいなので時間のある時に読んでみたいです。

 

人には人の圏論ということで色々な圏論の文献を紹介してみました。

次回の月1圏論ゼミは4月25日の予定なのでお時間ある方は是非!(Skypeなどでやるかもしれません)